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ノロやO157の感染予防に!塩素系漂白剤を除菌に使うとき知っておきたいアレコレをまとめました。

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 秋終わりから春先にかけて流行するノロウイルスなどの感染性胃腸炎ですが、これらは接触感染により感染が広がります。接触感染は、病気に罹っている人が触れることで汚染された場所を、手で触ってしまい、そのウイルスが口や鼻などから侵入することで感染が成立します。なので、感染性胃腸炎の蔓延を防ぐためには、手を触れる場所の殺菌消毒が有効です。

 ノロウイルスの殺菌には塩素系漂白剤が有効ですが、使い方を間違えると色落ちや肌荒れなどを引き起こしてしまいます。しかし塩素系漂白剤はうまく使えば非常に強力な殺菌力が得られますので、知っておくと良いことがありますよ♪

真面目に解説記事を書いたので、前半とか特に興味が無い人は最後の章まで跳ばしてもらっても大丈夫です!

ノロウイルスを含め、殆どの細菌やウイルスに有効な除菌のやり方 

 塩素系漂白剤は強力な殺菌力を持っていますが、使い方を間違えると十分に除菌できなかったり、逆に人間に害を与えることになったりします。塩素系漂白剤で除菌をする上でもっとも大切なのは、”濃度”です。この濃度のことを有効塩素濃度と呼びますが、これによって除菌力が決まるのです。

塩素系漂白剤を用いた具体的な殺菌法♪

<除菌剤のつくりかた>

  1. 500 mLのペットボトルを用意し、誤って飲んでしまうことが無いよう赤のマジック等で注意書きをします。(実際に誤飲により事故となったケースがありますので、絶対に書いておくことをおすすめします。)
  2. ペットボトルのキャップ2杯分の塩素系漂白剤をボトル内に入れます。(子供や自分が手に触れる物を直接除菌したいときには1杯でも可)
  3. ペットボトルに水道水を入れ、蓋を絞めて軽く振り混ぜたら完成です。

<作った除菌剤の使用法>

 下で解説していますが、作成した除菌剤が殺菌を完了するまでには30秒から1分程度の時間がかかります。ですので、作成した除菌剤で雑巾等を、べしゃっとした状態程度まで濡らし除菌したいところを拭き取ります。1分ほどしてから今度は別の濡れ雑巾で拭き取ればもう安心です^^

 

塩素系漂白剤の強力な殺菌力の秘密

 塩素系漂白剤の有効成分は『次亜塩素酸ナトリウム』と呼ばれる物質です。病院から食品工場まで様々な場所で使われており、その効果は実証されています。それでいて、価格は非常に安く一般人でも簡単に手に入れることができます。次亜塩素酸ナトリウムの特長は、細菌からウイルスまで広汎な種類の病原菌に対して、1分以内と速攻で殺菌できる点です。さらに水で希釈することで、場所に応じた濃度に調製することができます。

  塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、その一部が細菌膜(細胞の表面にある皮膚のようなもの)を突き抜けて中に入っていき細胞内のDNAを傷つける働きのある次亜塩素酸となっています。これによって塩素系漂白剤は顕著な殺菌作用を示すのです。じゃあ最初から次亜塩素酸を使えば良くない?と思うところですが、この物質は非常に不安定ですぐに分解してしまうため、保存が難しいのです。このような理由で比較的安定に保存できる、次亜塩素酸ナトリウムが使用されています。

アルコールじゃなくて塩素系漂白剤を殺菌剤として使うメリット

  消毒といえばまず最初に浮かんでくるのが、アルコールではないでしょうか。アルコールもご存知の通り強力な殺菌作用を持っています。アルコールの中でも人体に対する安全性が高く、殺菌用として使用されているのはエタノールです。エタノールが細菌に接触すると、その細胞膜(細菌にとっての皮膚のようなもの)を溶かします。これによって細菌はその中身を溶かし出されて死んでしまいます。

 同じく細菌を殺せるならアルコールでも良いじゃんかと思うところですが、実はアルコールには次のような特徴があるのです。

1) 有効濃度が40-80%であり、それ以下だと殺菌できない。

 エタノールが最も殺菌作用を示すのは79-84%程度の濃度だということがわかっています。これ以上でも以下でも殺菌力は低下し、40%以下になると殺菌力はほとんどなくなってしまいます。このことから、自分の好きな濃度に調製して使うという”節約”ができないのです。

2) 即効性があると言っても30秒から1分程度かかる。

 エタノールがどれだけすぐに効くとは言っても、少なくとも30秒はかかります。エタノールはすぐに蒸発してしまう性質があるので、机の上などを吹く時に少し掛けたくらいでは完全に殺菌できません。本当に殺菌が必要な医療や研究の現場では、一般人から見たら撒き散らすような勢いでエタノール浸しにして1分程度待ってから拭き取ります。きちんと使うにはそれなりの知識がいるのです。

3) そして何より酒税法の影響で価格が高い! 

 現代では工業の発達によりエタノールを製造するのにかかるコストはかなり低くなっています。ですが、エタノールと言えばお酒。そう酒税法の対象になってしまうのです。

4) 塩素系漂白剤とは違い、殺菌できる細菌やウイルスの種類が少ない

 エタノールは一般的に見ると様々な種類の細菌に対して有効ですが、それでも塩素系漂白剤に比べると見劣りします。具体的に言うと、ノロウイルスなどの一部ウイルスや、芽胞と呼ばれる耐性状態になった細菌に対してはエタノールは効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒でしか殺菌できません。  

 塩素系漂白剤はこれらのデメリットがありません。2の即効性についてはエタノールと同様に30秒から1分程度時間がかかるのですが、エタノールと違って蒸発しないのでただ待っていれば良いのです。 

 これだけのメリットが塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)にあるにもかかわらず、未だに医療現場ではエタノールも使用されている理由。それは次亜塩素酸ナトリウムと比較して、皮膚などに直接塗りつけたときの安全性が高いからなのです。それでは塩素系漂白剤の安全性について見ていきましょう。

人体への影響はどれくらい残るのか?

絶対に避けなければいけないのは酸性にすること! 

 塩素系漂白剤のボトルを見ると必ず、「混ぜるな、危険」と書かれています。その通り、塩素系漂白剤は酸性になると塩素ガスが発生し非常に危険なのです。なので酸性にすることだけは避けなければなりません。一方で、極々薄い濃度では食品添加物として認められているなど、濃度によってその毒性は大きく異なります。

残留塩素については、消毒後に水拭きすればまず安心 

  0.1%程度の濃度では皮膚に触れてもすぐに問題が起こるようなことはありません。それでも人によっては肌がひどく荒れることがありますので、消毒する際にはゴム手袋を着用して作業するのが無難だと思います。

 塩素系漂白剤で除菌した後に、水拭きをするように紹介しましたが、それでも不安に思われる方もいるかもしれません。ですが、塩素系漂白剤の成分は光のあるところでは不安定なため、ほんの少し残っていたとしてもすぐに分解されてなくなります。そういう観点からも安心して使って大丈夫です。

 

  最後までお読みくださりありがとうございました^^

さらに深く知りたい方は参考文献を載せておきますので、読んでみてください。

「次亜塩素酸ナトリウムを用いた洗浄・殺菌操作の理論と実際」