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夏の暑さを和らげてくれる、冷感スプレーは自分で安く作れる!化学者による作り方講座!

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  ここ最近、夏の気温が毎年上昇している気がします…。 なんとか暑さを防ぐ方法はないかとドラッグストアに入ってみると売っているのが、上の写真のような商品。いわゆる冷感スプレーと言われている類のもので、シャツ等の衣服の上からふりかけることで30分~1時間ほど冷感を保つことができるという、なんじゃそりゃ、使わなきゃ損!というスグレモノなのです。

 ドラッグストアに売られており、手軽に買うことができるのですが、正直成分に対して割高なのです…そこで本記事では、このスプレーを市販の1/5程度の価格で手作りしてしまおうという解説記事です。しかも手作りだと自分の好きな香りをつけることができます

 なお、Googleなどで『冷感スプレー 自作』などと調べるとたくさんの手作り記事が出てきますが、ほとんどが適当なものです…というか化学者の私からしたら安全に配慮して無さすぎて、正直怖いです。そこで本記事では、手作りする際の注意点などについてもまとめましたので、是非ご自分でチャレンジしてみてください!1回作ってみると病みつきになる、素晴らしさですよ!

 

準備するもの

 さて、では実際に自分の手で作ってみましょう。用意するものは上にも書いたように3種類です。あとはスプレーとなるボトルですね!準備するものを購入する際に安全面や価格面から注意することを書いたので、参考にしてください。

1.メントール (1 g程度)

 見た目は白い針状の結晶で、まるで覚○剤のようですがそんなヤバイものじゃありません(笑)メントールはネットショップなどで手軽に買えるほか、場所によっては薬局でも売っているようです(私は未だに一件しかメントールを売っている薬局をみたことがありません)。メントールは様々な用途に使われているため、非常に多用なグレードの商品があります。非常に純粋で高いものから、不純物が入っていて安いものまで売られていますが、人体に有害な成分が含まれていない限り安いもので良いです。以下の商品などがお手頃ではないでしょうか。

2.エタノール (100 mL程度)

 エタノールは薬局でもネットショップでも手軽に手に入れる事ができます。市販されているエタノールは2種類あります。1つは無水エタノールという商品で売られているもので、その名の通り99.9%程度がエタノールという、純粋なエタノールです。この純度にまで精製するのはそこそこの手間がかかるのに加え、酒税法も適応されるため割高です(500 mLで1000~1500円程度)。しかし今回の用途ではどうせ水と混ぜるので、ここまで高いものを買う必要がありません。消毒用アルコールと書かれている、80%程度の純度のエタノールと水の混合物が売られているのでそれを買うと良いでしょう。こだと500 mLで500円程度と格安です。尚、あとで更に水を足すので、最終的な量としてはもっと増えます。

 注意点として、燃料用アルコールと書かれたものだけは買ってはいけません。これはエタノールではなく、メタノールと呼ばれるアルコールがメインで入っており、人体に非常に有害です(飲み込むと失明します。下手をすると死にます)。

3.香料 (好きな香りをほんのわずかに)

 これはお好きなものを買っていただければ大丈夫ですし、特に必要もありません。もし何か香りを浸けたいと思われましたら、アロマ用のオイル等を購入するのが良いかと思います。

4.スプレー用のボトル (1本)

 これは高いものである必要は全くありません。100均でもスプレーボトルは売られていますし、アトマイザーなどを用意しておくと持ち運びにも便利ですね!

 

作り方

以下では途中でメントールが溶けないなどの問題が起こりにくく、刺激が強すぎない程度のちょうど良い例缶スプレーを作る方法を紹介します。100mLの量を基準として紹介していますが、余分に作ってもペットボトル等で保管できますので、大丈夫です。

 

  1. まずエタノールにメントールを溶かします。目安としては100mLのエタノールに1 g程度のメントール(小さじ1/4程度)です。家庭で作る場合には、計量カップでエタノール100 mLを取って、そこにメントールを溶かすと良いでしょう。
  2. 水を50mL程度追加します。水道水で問題ありませんが、香料を追加したいと考えている人はこの操作をやらないほうが良いと思います(香料が混ざりにくくなる)。この作業はやらなくても良いのですが、かさ増しできるので少しだけ割安にできます。このとき水を入れすぎるとメントールが出てきますが、その時はエタノールを追加してやれば再度溶けます。(格安に仕上げたい方はどこまで水を入れたらメントールが出てきてしまうか試してみてください(笑))
  3. 必要に応じて香料を加えます。
  4. スプレーボトルに入れて、完成です!

 

できたら早速服の上からスプレーしてみてください。思っていたよりも涼しいんじゃないでしょうか。あまり効果が感じられない場合には、少しだけメントールを足してみてください。余ったメントールは直射日光を避け、涼しいところで包装のうえからジップロック等に包んで保管してください。

 

安全面からの注意点

 メントールは上述のように皮膚刺激性があります。ですので、目に入ると非常に痛みます。スプレーした時のミストが目に入らないようにしっかり注意してください。万が一目に入った場合には直ぐに水道水で流してください。理想としては15分以上です。また成分にエタノールが入っていますので、アルコールに対して過敏な方は使用しないでください。ここにメントールの安全情報を置いておきますので、興味のある方は読んでみてください。

 

ここからは冷感スプレーがどんなものなのか興味のある人だけ読んで下さい!

 冷感スプレーの成分と涼しく感じる理由は?

  冷感スプレーの裏の成分表示を見てみると、”水”、”エタノール”、”メントール”、”香料”と書かれています。え、これだけ?と思われるかもしれませんが、実はこの中でも涼しさに一役買っているのは一つだけなんです。それはメントールです。

メントールは冷感受容体に働きかける

  皆さんは冷たいものを触ったときや真冬に外に出たときに、冷たさや寒さを感じますよね?それは肌の表面に冷たさを感じる神経があって、その神経が反応しているからなのです。この冷たさを感じる神経の中でも実際に反応している部分を、”冷感受容体”といいます。メントールはちょっと面白い成分でメントールが肌の表面に触れて、冷感受容体にくっつくと、冷たさを感じる神経は、今肌の表面は冷たい状態なんだ!と勘違いするのです。

じゃあ残りの成分は何のために入ってるの…?

 上で解説したように、本当に冷たさを感じさせてくれるのはメントールなんです。なのでメントールを水に溶かしてスプレーすれば良さそうなものなのですが、そうはいかないのです。というのも、メントールは非常に水に溶けにくく(0.46g/L, 25℃)、エタノールには非常に溶けやすいという性質があるのです。そこでエタノールを混合することでメントールを溶けやすくしているのです。ただエタノールは水に比べて高いので、必要なメントールを溶かせるだけの最低限の量が入っているのです。

単純に見えて、冷感スプレーは非常に良くできている

上で紹介した冷感スプレーは成分だけ見ると非常に単純のように見えますが、実は見かけ以上にうまくできているのです。冷感スプレーの裏面に記載されている使用法を読んでみると、体に直接スプレーするのではなく、服の上からスプレーするように書かれています。この理由の1つには、メントールを肌に付けると刺激が強すぎるという問題があります。しかしそれならメントールの量を少なくすれば良いだけの話です。実は本当の理由はメントールの性質にあるのです。メントールは空気中に放置しておくと徐々に揮発する性質があります。そう、感の良い方はお気づきかもしれませんが、服の上からスプレーしておくと、水やエタノールが蒸発した後に服の繊維の間に浸透して残ったメントールが少しずつ揮発して長い間、冷感を持続させるのです。これによって冷感スプレーは一振りで、30分程度涼しさを保つことができます。単純なスプレーに見えて、メントールの性質をうまく利用した優れ商品なんですね。

  

 

<追加>応用編

 冷感スプレーは良かったけど、残ったメントールを何かに使えないかという人向けの情報です。

その方法も”冷感風呂”です。いつものお風呂に0.5 ~ 1.0gのメントールを加えるだけです。これだけであら不思議、夏の湯船も涼しく入れますよ!(注意:決して入れすぎないでね!入れなくなります。)